「街の電器店さん」が年商10億円を稼ぐ理由

東京都町田市に店舗を構える『でんかのヤマグチ』をご存じですか?
大手量販店ですら苦戦を強いられる厳しい家電戦争の時代になんと20年間も黒字経営を続けている会社なんです!
店舗の1.5キロメートル圏内に大型家電量販店が相次いで6店舗も進出し、深刻な顧客離れが危惧され約30%の売上減
のピンチの時に山口代表はこう考えたそうです。
「この3割の売上減をどうカバーするか。そこで考えたのが、粗利率の改善です」
当時の『でんかのヤマグチ』の粗利率は25%。これを35%まで引き上げようと決断した。粗利率を上げるには、卸値を抑えるのが鉄則だ。しかし、大量に仕入れられる大手量販店とは違い、小さな電器屋が、大手メーカーを相手に仕入れ価格をコントロールするのは現実的に難しい。そこで、山口氏は販売価格に目を向けた。
『利は売価にあり』の精神で、他店よりも高く売ることを決めました!
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これみなさん出来ます?すごくないですか?

競合各社が「1円でも安く」と躍起になる中、時代に逆行するような高価格路線。たとえば、量販店なら15万円ほどのテレビを、ヤマグチは30万円で売る。そんな大胆無謀な計画を成功させるために行ったのが、顧客リストの精査だ。
5年以上購入履歴のない顧客はリストから外し、他店のチラシを持って値引きを要求してくる相手にも「じゃあ、よそで買ってください」と応じた。結果、顧客リストはそれまでの3分の1にまで絞り込まれた。
「お得意さまが3分の1になった分、残ったお客さまには3倍のサービスを提供しようというのが、うちの考え。お客さまには失礼になってしまう言い方になりますが、お客さまがヤマグチを選ぶのではなく、ヤマグチがお客さまを選ぶという方針に切り替えたのです」
同社の標語はなんと「遠くの親戚より、近くのヤマグチ」でお客様との間に盤石の信頼関係が築かれているのだ。
「粗利を追求していこうと決断して以来、うちでは売り上げ計画というのをやめました。売り上げが目標にあると、どうしても利益そっちのけで、安く売って数字を埋めようとする。
でも、それじゃいけない。代わって徹底しているのが、利益計画です。外回りから帰ってきたら、営業マンはみんな『今日上げた利益はいくらでした』って会話をしている。そのためにも、製品一つひとつの卸値まで全員にきちんと把握させています」
週末になると店先イベントで店頭で色々な食材を調理して振る舞い、昨今、大手量販店が顧客を囲い込むために軒並み導入しているポイントカードも、『でんかのヤマグチ』では扱っていない。
「うちは胃袋でお客さまの心を掴む。店先で鹿肉を食べたら一生忘れないでしょう(笑)」
この潔さが、山口氏の最大の武器だ。実際、山口氏は一度も近隣の大型量販店を覗きに行ったことがないそうだ。それどころか、他社の折込チラシの価格も一切チェックしないという。
「商売っていうのは、他人との戦いじゃなく、自分との戦い。それくらいでないと、こんな小さな電器屋はやってられませんよ」
ルートセールスに徹しているものの、口コミで評判を聞いた新規顧客の来店も後を絶たない。
こういう会社が商売の本質なんだろうな!!


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